TOEICリスニングの解き方で何か良いコツはないかとお探しではないでしょうか?
実は、TOEICのリスニング問題はちょっとした工夫を行うだけで驚くほど楽に解けるようになります。具体的には「同時に行うべきことを減らす努力をする」ことが大切です。
なぜなら、人間は基本的に同時にあれもこれもできないからです。TOEICのリスニング問題は、同時に行わなければならないことが多くありますが、それらをどのように処理してゆくかを工夫することで、同時に行うべきことを減らすことができます。結果、問題を解く際の精度が大幅に向上するのです。
ここでは、リスニングで400点以上をコンスタントに取得している私の実体験を元に、リスニング問題を解く際のコツを伝授します。
読み終えていただければ、リスニング問題を解く際の最適なコツがわかり、次回のTOEIC試験においてリスニングの点数が大幅にアップする可能性が高くなります。
人間が同時にできる作業はせいぜい2つ
TOEICのリスニングでは少なからず同時に複数のタスクを行わなければいけない状態があります。そこで、人間はどれほど同時にタスクを処理することができるのかについてお話しします。
人間が同時に行えることについては、長年にわたって様々な研究が行われてきました。その結果、人間が一度に行えることの数については、せいぜい2つか3つくらいであるということが言われています。
そして当然3つよりも2つである方が、それぞれのタスクに対する正確性は上がります。この限界は、人間の脳の構造と機能に関係しています。
人間の脳は、情報を処理するために複数の領域を使用しており、その中でも特に重要なのが「ワーキングメモリ」と呼ばれる脳の機能です。ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、それを処理することができる短期記憶の容量を表しています。
ワーキングメモリの容量には個人差がありますが、一般的にはせいぜい2〜3個程度の情報しか保持することができません。
いかに同時作業を減らせるか追求しよう
人間が同時に行うことができる作業は2〜3個であるという事実は変えることはできません。では、私たちができることはなんでしょう。
それは、同時に4個も5個も行わない工夫をすることです。TOEICのリスニング問題では、できれば同時に行うことを2個にすることを目指しましょう。
3個よりも2個の方が問題をより正確に処理できるからです。では、TOEICのリスニング問題を解く際に、どのように同時進行のタスクを減らすことができるでしょうか?実際に私が試行錯誤し行き着いた具体的解き方をお伝えしていきます。
本番前にできることもある
TOEICのリスニング試験では、本番に行うべきことが多くあります。そこで、まずは本番出なくても行えることを練習段階で行っておき、本番での負担を減らすという工夫を行いましょう。
設問文のパターンを頭に入れておこう
具体的には、リスニング問題で出題される質問文を、ある程度頭の中に入れておくことです。これは特にPart3, 4において有効な手法です。
Part3, 4では、一つの大問に対し、3つの設問が聞かれます。そして、その設問をよくみていただくとわかるのですが、設問の問われ方にはある程度のパターンがあります。出てくる質問文の型はもちろんのこと、頻出する単語や熟語があるのも事実です。
これらのパターンをある程度頭に入れておくことで、本番試験の際に設問文を理解するスピードが格段にアップします。そうすることで、短縮できた時間を他の作業に回すことができます。
また、英語の放送分を聴きながら設問を訳すことも容易にできるようになります。このように絶大な効果が期待できます。
音読を行いパターンに慣れよう
設問文を覚えるためにはどのような対策を行うのが良いのでしょうか?結論音読が最も効果的です。模試問題集などを活用し、ひたすら出題されている設問文を繰り返し音読してみたください。
ここで大事なのは、多くの設問文を音読するのでなく、いくつか選んだ設問文を何度も繰り返して音読することです。繰り返し音読をするうちに、自然と設問文が頭に暗記されますし、さらには設問文を訳すスピードが上がります。
また、音読する際は必ず音読と同時にその文の意味を頭に思い浮かべてください。ただ何も考えずに声に出して読むのでは意味がありません。このようなことを意識し、何度も音読をしてみてください。
具体的なおすすめの解き方
ここからは本番で行うべき具体的なおすすめの解き方について解説してゆきます。
Part1は慣れが大事
Part1に関しては本番の試験において、複数のことを同時に処理することがありません。放送される一文の英文を聴き、それが問題用紙に描かれている写真の状況と合っているかどうかを確かめ、合っているものを選択するのです。
写真を見ながら英文を聴くことは一見2つのことを同時に行なっているように感じるかもしれません。しかし、情景を見ながら話を聴くということは、人間にとって日常的に行なっていることです。
従って、特に頭が疲れるような処理はしていないのです。ですから、Part1に関しては、本番でのコツというよりは、日々の勉強での対策が重要となります。いかに練習からリスニング力を上げられるかが大事になるのです。
また、とりわけ難しい英文が放送されるわけでもありません。英文自体も1文です。難しくない上に対策もしやすいです。まずはPart1で正解数を上げましょう。
Part2は冒頭を聞き逃すな
Part2に関しても頭がパンクしてしまうような2つのタスクを同時にこなさなければいけない状況はありません。放送される一文の英文に対して最も適切な文を選べば良いだけですし、選択肢は印刷されている上に放送でも流れます。ですから基本的にはPart1と同様、練習のうちにいかにリスニング力を上げるかが重要となります。
ですが、Part2では本番で意識すべきコツがひとつだけあります。それは放送で読まれる英文の冒頭を絶対に聴き逃さないように全集中することです。
なぜかというと、冒頭の疑問視や文の始まりの語が何かによって、選択肢が大きく絞れてしまうからです。
いくつか例を挙げます。例えばWhyで文が始まったとしましょう。するとそれに対する答えは理由を述べる内容になるはずです。
ですから、選択肢の中で理由を述べていないものは不正解の可能性が高くなります。また、選択肢にBecauseなどの理由を述べる文で使用される単語が含まれていたら、それは正解である可能性が高いです。
他にも、文がDo youで始まっていたとします。その場合は、YesあるいはNoで答えることが一般的ですね。ですからそれを手掛かりに選択肢が絞れてゆくのです。
もちろんTOEICにはよく引っ掛け問題が含まれます。ですから、今お伝えした法則が必ずしも適応できるわけではありません。ですが、正解率を上げるためには有効な方法となりますので、ぜひ実践してみてください。
Part3, 4こそ本番でのコツを掴むべき
ではここから問題のPart3,4に関してまとめてゆきます。なぜ問題かというと、多くの人がご存知の通り、先読みをしたり複数タスクを同時にこなしたりする必要が出てくるからです。ではいかに負担を減らせるか解説してゆきます。
Part3, 4では先読みはすべき
Part3, 4では必ず先読みをしましょう。なぜなら、先読みをすることで、のちに放送される英文の内容がどのようなものか、概要がつかめるからです。TOEICのリスニングでは、英文が1度しか放送されません。
その一度でなるべく多くの情報をつかめるかが重要です。そのためには、あらかじめ概要を分かって英文を聞いた方が、当然有利です。
では、先読みはどのように行えば良いのでしょうか。繰り返しになりますが、先読みの目的は、放送される英文の概要をつかむことです。実はどんな単語が問題文に含まれているか分かるくらいでもなんとなく概要がつかめたりします。
ですからそれだけでも十分なのです。あとは自分のレベルに応じて読む範囲を広めてください。できれば設問全てに目を通すくらいまでできると理想です。速く読める人だと、設問に対する全ての選択肢まで読める人はいるかもしれません。
まとめると、先読みが難しい人は、せめて設問と選択肢に含まれる単語には目を通しましょう。それよりも余裕がある人は、設問全てに目を通せれば理想です。
選択肢まで読める人は読んでもいいかもしれませんが、概要をつかむ程度であれば選択肢は読まなくてもいいです。そして大事なのは、自分がここまで読むと決めたら、そこまで読めないと焦ってパニックになってしまわないことです。
パニックになるとそのあとの問題で立て続けに失点してしまいます。そうなった時は一度解いている設問に関しては大問ひとつ分まるまる捨てても良いです。落としたところで一問せいぜい5点くらいです。
Part3, 4で同時作業を減らすコツ
Part3, 4を解く上で明らかに問題を難しくしてしまっているのは、同時作業を行わなければいけないことです。
ですが、人間は同時にできる作業はせいぜい2つくらいなので、ここでは工夫が必要です。ではどのようにやればよいでしょうか。Part3,4では各大問ごとに設問が3つあります。
まずは3つのうち、初めの一問は無いものとし、残りの2問を解くことだけに集中してみましょう。実は1問目に関しては、放送される英文の概要を問う問題が多いです。一方で、2問目と3問目は詳細を問うことが多いです。
そのため2問目と3問目が解けると1問目はおまけ的に答えが分かることが大半なのです。ですから2問目と3問目を解くことにまずは意識しましょう。そのあとで1問目に戻って問題を解くのが良いです。
これによるメリットはなんでしょうか。それは同時に行うタスクを減らせることです。
Part3, 4では英文全てを聞いた後に回答をするのではきついです。なぜなら放送された内容を一旦覚えなければならないからです。
聴きながらの暗記は正直ハードルが高いです。それよりは、答えの部分が放送されたら回答するのが1番負担が軽いです。
もちろんそれでも難しいのは事実ですが、TOEICにおいてはこれが1番優しいというのが私の結論です。
まとめ
ここまでTOEICのリスニング問題を解くにあたって効果的なコツをまとめてきました。
リスニングを特にあたっては同時に複数タスクをこなすことは必要です。ですから、いかにして同時に行うタスクの数を減らすかが重要ということでした。
そのためには下記のようなコツをパートごとに実践するのが効果的です。
- Part1は練習の段階でのリスニング力向上が全て。
- Part2は放送される冒頭の単語を絶対聞き逃さない。そして冒頭の単語によって選択肢を絞る。
- Part3, 4は3問あるうちの2問目と3問目だけを解くことに専念し、1問目は最後に解く。
これらを実践し、自分のTOEICの点数を最大化しましょう。