TOEIC800点を取得すると評価されることが多そうだけれど、実際は本当にすごいの？
そんな疑問をお持ちではないでしょうか？
実は、TOEIC800点という実績では真の英語力を測ることができないのですが、転職活動や就職活動においては間違いなく評価をされます。なぜなら、TOEICはリーディングの力さえあれば800点は取りやすいというお得な資格ではあるのですが、ビジネス界におけるTOEIC800点のブランディング力はかなり強いからです。
ここでは、実際にTOIEC800点を取得している私の体験をまじえ、どういった点がすごいのか、あるいはどういった点がいまいちであるのか解説します。読み終えていただければ、TOEIC800点取得がどういった点ですごいのかが分かり、あなたが今TOEIC800点を目指すべきなのか、そうでないのかが分かります。
転職や仕事においてはやはり評価が高い
転職活動や仕事においては、TOEIC800点を取得していると評価は高いです。楽天が社員にTOEIC800点以上取得を義務付けている話は有名かもしれませんが、最近は企業側が英語力を求めるケースが増えています。
そして、英語ができるかどうかを企業側が判断する際はTOEICの点数が重視される傾向にあります。それはビジネスの世界において、TOEICのブランディング力がかなり強いからです。
本来はTOEICよりも、もっと真の英語力を測ることのできる試験は存在します。ですが、社会の大多数がTOEICを評価基準としているため、その風潮に従う傾向にあるのです。
良くも悪くも、多くの人に認知されているものが結局は重視されるのです。
TOEIC800点はすごいが真の英語力は測れない
TOEIC800点を取ると周りからの評価は高いのですが、実は真の英語力は測ることができないのです。英語力とは細分化すると、次に挙げる4つの技能があります。
- リーディング力
- リスニング力
- スピーキング力
- ライティング力
このうち、TOEIC800点を取ると能力が高いとされる項目は、実は①のリーディングだけなのです。
TOEIC800点で評価できる英語力はリーディングのみ
どういうことなのか詳しく解説します。
TOEICの試験で出題される問題は「リスニング」と「リーディング」の2種類です。つまり「スピーキング」と「ライティング」は、極論全くできなくても満点を取得できる試験であるということです。ですから、TOEIC800点を取得したとしても、それがスピーキング力とライティング力の証明にはならないのです。
そして、残った2つの英語力が「リスニング力」と「リーディング力」ですね。このうち、まずはTOEIC試験におけるリスニング力に関して考えてみましょう。
TOEICリスニングは比較的高得点をとりやすい
実はTOEICのリスニング問題で800点レベルを取得するには、それほど高度なリスニング力がなくても達成できる可能性が高いです。
TOEICのリスニング問題は、長文を聞き4択のマークシートに答える形式です。全体の6割程度内容を聞き取れれば、後は4択問題に記されている英文をヒントにしたり、選択肢の消去法などで正答率をあげることができるのです。
これに加え、TOEIC800点は、出題問題に対し全体の約8割正解できれば良い計算になります。だからこそ、5〜６割近く英文の意味が聞き取れ、その上でTOEICの問題傾向をしっかり対策して臨めば、８割程度まで正答率をあげることができるのです。
実際、私もTOEIC800点を初めて超えた試験のリスニングは、全体の半分くらいしか英文を聞き取れませんでした。大問によっては2割程度しか聞き取れず、捨てた問題もあります。
それで800点が取れるのか？と思う人がいるかもしれませんが、「わからない問題を潔く捨て、次の問題を完答できるように備えるのが大切」といったこともTOEICのコツであったりします。
このように、何度もTOEICを受け、TOEIC慣れをすることで得点をあげることが可能なのです。
TOEICのリーディングは結構難しい
しかし、TOEICのリーディング問題に対しては、かなりのリーディング力が試されます。
もっと正確にいうと、リーディング力の中でも「速読力」が試されます。TOEICはとにかく長い英文を大量に読まされます。
最後まで問き終わらずに時間が終了してしまうなんてこともザラにあります。ですからTOEIC800点を取れれば、リーディング力に関して大いに評価はできるでしょう。
800点を超えたけど仕事で英語に苦戦した
TOEICでは真の英語力は測れないということを説明してきました。では、実際にTOEIC800点を超えたあと、私の英語力がどうだったのかに関してお話しします。
800点を超えた当時、私は仕事で多くの外国人とともに仕事をしていました。彼らとはチャットやメールで多くのやりとりを行い、週に数回ミーティングで話をしたりすることがありました。
チャットやメールでのやりとりに関しては比較的支障なくコミュニケーションを行うことができていましたが、ミーティングに関してはかなり苦戦をしました。TOEICの試験では6割ほど聞こえていた英文が、実際のミーティングになると2,3割しか聞き取れない状態でした。
そして、もちろん話すことにもかなり苦戦しました。それもそのはず、まず相手の言っていることが2, 3割しか聞き取れないのですから、そもそも何を話して良いのかがわからなかったのです。
会話はキャッチボールに例えられることが多いですが、ボールを相手に投げるためには相手が投げたボールをしっかりとキャッチできることが前提なのです。そして、ようやく聞き取れた相手の発話に対しても、今度は自分が答えようとしている内容をどのように英語で表現すれば良いのかがわからないのです。
実際の会話で聞く英語は、TOEICのリスニング問題で流れる英語とは全く違うように感じました。TOEICで流れる音声でも半分ぐらいしか聞き取れないのですから、実際の英語でも聞き取れないというのは当たり前です。800点を取得したとしてもこれが現実でした。
では、TOEICは受ける必要がないのでしょうか？そうではないというお話もしていきます。
800点超えたら就職や転職活動ではすごく評価された実体験
TOEICで800点を取得しても英語力としてはまだまだであることをお伝えしてきました。
しかし、実際はそのようなレベルであってもTOEIC800点という実績は強力です。これは私の経験から言えることです。では、実際にどのような部分で強力であったかの実体験をお話しします。
就職活動においては、TOEIC800点を超えると、面接において評価をされることが多くありました。履歴書に「TOEIC800点取得」という実績を書いておくと、その部分はほとんどの企業の面接において触れられる事項でした。
もちろん企業によってどれほどTOEICの評価を重視しているかは変わってくると思いますが、多くの企業の面接官がTOEIC800点超えに興味をしていたのは事実です。また、TOEIC800点を取得していると、面接の場だけではなく、会社に入ってからの仕事の幅が広がります。
私は新卒で入社した会社において、配属先が決まる際、ある程度配属の希望を意思表示できる会社でした。その際に、「英語が飛び交うグローバルな配属先に行くこと」を希望し、その希望通りの配属先で仕事ができることになりました。
転職や仕事で評価を受けたいならTOEIC800点を目指すべし
TOEIC800点は、真の英語力は測れないけど、就職活動やその後の仕事においてはかなり強い武器になるということをここまでお話ししてきました。ここで重要なことをお話ししますが、「TOEICが真の英語力を測れない」ということは聞こえが悪いですが、悪いことだと思わないで欲しいということです。
裏を返すと、この記事で英語力として挙げた4つ全ての能力を網羅しなくとも800点を目指せるということです。
4つの技能とはおさらいしますと、次に挙げる技能でしたね。
- リーディング
- リスニング
- スピーキング
- ライティング
そして、800点を取得できれば就職や仕事で有利にはたらくのはすでに述べたとおりです。あまり良い言い方ではないかもしれませんが、TOEIC800点は「意外と手が届くのに、達成できたらめちゃくちゃ評価をされる」というかなりお得な試験であるのです。
ですので、英語力をつけるというより、転職や仕事でとりあえず評価されたいと感じる人は、迷うことなくTOEIC800点を目指すべきです。
真の英語力を測るなら英検準1級
では、真の英語力を測りたいのであればどうすれば良いのでしょうか？
私のおすすめは英検準1級に合格することだと思います。
英検はTOEICと違い、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能全ての問題が出題されます。つまり、英検準1級に合格すると、真の英語力があるという証明になるのです。
ですが、英検はTOEICに比べると転職や仕事においては評価されづらい傾向にあります。TOEIC800点だけを持っている人と、英検準1級だけを持っている人が天秤にかけられた場合、TOEIC800点の方が評価をされるのが事実です。
ですから、「別に今は周りに評価をされなくても構わないし、むしろ本当の英語力を鍛えたい」という方であれば、英検準1級を目指しましょう。
そして、何より真の英語力が身についた状態であれば、TOEICでも力を発揮しやすいです。英検準1級を取得できてしまえば、TOEICの問題形式に慣れるだけでおおよそ800点は簡単に目指せるでしょう。
まとめ
ここまでTOEIC800点は実際すごいのか？に関してまとめてきました。
- TOEICは、転職活動や仕事においては周りからの評価は高い。
- 真の英語力があるかどうかの力試しにはならない。
ということが私の経験をまじえた結論です。
また、そのことをふまえ自分が何を重視するかによって、TOEICがすごいのかどうかが変わってくるということです。もしこれから勉強を始めようか迷っている場合は、次のことを参考にしてみてください。
- とにかく評価されることを重視するならTOEIC800点を目指すべき。
- 真の英語力を試すのであればTOEIC800点より英検準1級を目指すべき。
自分が目指しているゴールは何なのかをまずは考え、ともにこれからも英語学習をがんばっていきましょう。