放送される単語に聞き覚えがあるが、聞き覚えのある単語が左から右に流れるだけで意味が入ってこない…
TOEIC Part2が聞き取れない…
そんな悩みを抱えてはいませんか?
じつは、Part2の英語が聞き取れないのは、英文に対する「反射力」が不足している可能性が高いです。なぜなら、英語を聞き取るためには単語をただ知っているだけでは不十分で、単語の意味を瞬時にかつ反射的に答えられる状態にする必要があるからです。
この記事ではPart2で放送される英文が、反射力を鍛えるだけで聞き取れるようになる具体的な方法を解説します。読み終えていただければ、Part2のリスニングが聞き取れない状態を脱却するための具体的方法が明確になります。
TOEIC Part2が聞き取れない理由
TOEIC Part2が聞き取れない原因として下記5つが考えられます。
- 英文に対する反射力がない
- 単語力と文法力が弱い
- 正しい発音が分かっていない
- 音の変化に慣れてない
- 否定疑問文と間接疑問文に慣れていない
順番に解説していきます。
英文に対する反射力がない
Part2を聞き取れない一番可能性の高い原因は、英文に対する反射力がないことです。なぜなら、英語を聞き取るためには単語を知っているだけでは不十分で、知っている単語の意味が0.1秒以内に答えられるくらいの反射力が必要だからです。
「単語を覚える」ということの段階は大きく分けると2つあります。
- 単語の意味を1秒以内に答えられる
- 単語の意味を0.1秒以内に瞬時に答えられる
単語帳で単語暗記をしている時を思い出してみましょう。単語の意味を隠してひとつずつ意味を答える勉強をしているとします。単語のスペルを見て、「この意味はなんだっけな…あ、〇〇だ!」という感じに意味を答えていくと思います。
おそらくこの状態は0.1秒以内に単語を答られていませんね。
ですが、"Thank you."という英語はどうでしょう。意味を考える間もなく「ありがとう」という意味であることが瞬時に分かるでしょう。
リスニングで英語を聞き取るためには、後者で挙げたように、反射的に英語の意味が分かる状態になる必要があるでしょう。つまり、反射力が弱いとPart2で聞き取れないといったことが起こるのです。
単語力と文法力が弱い
単語力と文法力が弱いと聞き取ることができないでしょう。なぜなら、単語力と文法力は、英語を理解するために最低限必要な力だからです。
英語の文章は「単語」が「文法」というルールに従って並ぶことで意味を表現しています。ですから、単語と文法は英語を理解する上での基礎力であり、どちらかの力が不足していると英語の理解ができないでしょう。
そのため、単語力と文法力を鍛えることがリスニング力を上げるためには必要不可欠です。
単語力と文法力が弱いとPart2のリスニングで苦戦するでしょう。
正しい発音が分かっていない
正しい発音が分かっていないとPart2のリスニングが聞き取れないでしょう。なぜなら、正しい発音がわからないと、放送されている単語を認識できないからです。
単語の正しい発音を習得するためにはPart2の英文を見ながら音声を聞き、真似して発音するのが良いでしょう。
正しい発音が理解できていないとPart2での聞き取りに苦戦するでしょう。
音の変化に慣れてない
音の変化に慣れていないとPart2の英文が聞き取れないでしょう。なぜなら、英語は文章になると英語同士をつなげて発音したり、音が変化したりするからです。こういった音の変化を習得できていないと英文を聞き取ることはできないのです。
なお、音をつなげて発音する現象を「リンキング」といいます。
例えば次のような文章は「音のリンキング」と「発音の変化」が同時に起こるパターンとして有名です。
What would you do ~?
この英文は、単語をつなげずに読めば「ワット ウドゥ ユー ドゥー」となるでしょう。
しかし、リスニングで流れる音は「ワッ ウッデュードゥ」といった感じに聞こえるはずです。
つまりひとつひとつの単語の意味と発音を正しく知っていても、What would you do は聞き取れないのです。What would you doとなると発音が変化することを認識し、一つのかたまりとして発音を覚えることでようやく聞き取れるのです。
このように音の変化に慣れていないとPart2で聞き取れないでしょう。
否定疑問文と付加疑問文に慣れていない
否定疑問文と付加疑問文に慣れていないとPart2で聞き取れないでしょう。なぜなら、否定疑問文と付加疑問文はあまり聞き慣れない文の形であり、慣れていないと意味を理解するのに時間がかかってしまうからです。
否定疑問文とは下記のような疑問文です。
Hasn't the outgoing mail been picked up yet?
公式TOEIC Listening&Reading トレーニング リスニング編 Section3 No.4
(A) I can give you a ride.
(B) Not the I know of.
(C) Usually by express mail.
また、付加疑問文とは下記のような疑問文です。
The cafeteria's being renovated next month, isn't it?
公式TOEIC Listening&Reading トレーニング リスニング編 Section8 No.7
(A) Good for him!
(B) No, not until July.
(C) Let's have some lunch.
こういった疑問文はあまり見ない文の形であるため、理解するのに頭を使うのではないでしょうか?否定疑問文や付加疑問文に慣れることでPart2のリスニングが少し楽になるでしょう。
ちなみに、否定疑問文と付加疑問文は、それらを無視して普通の疑問文に直して考えても意味は同じになります。ですから、頭の中で瞬時に普通の疑問文に直して理解するのでも良いでしょう。
否定疑問文と付加疑問文に慣れないとPart2のリスニングで苦戦してしまうでしょう。
TOEIC Part2の点数を上げるコツ
ではTOEIC Part2の点数を上げるにはどういったコツを実践すれば良いでしょうか。
具体的には下記のコツを実践するといいでしょう。
- 目をつぶる
- 文頭の聞き取りに集中する
- 分からない問題はすぐ捨てる
- 同じ単語を含む選択肢は疑う
- 消去法を使う
順番に解説していきます。
目をつぶる
Part2はリスニングの文章が読まれる時だけ目をつぶると良いでしょう。なぜなら、目をつぶると視覚が遮断される代わりに聴覚が研ぎ澄まされるからです。これは人間の本能を利用したテクニックです。
人間はある感覚が失われると、その感覚を補うために別の感覚がより敏感になります。ですから、目をつぶることで、より英語を聞き取ることに集中することができるのです。
目をつぶるとPart2のリスニングがより聞き取りやすくなるでしょう。
文頭の聞き取りに集中する
Part2では読まれる英文の1語目を絶対に聞き取れるように全集中しましょう。なぜなら、Part2の放送文は冒頭の一語目に一番重要な情報が含まれるからです。
例えば5W1Hの疑問文を例にあげます。
Where's the shoe department?
(A) On the second floor.
公式TOEIC Listening&Reading トレーニング リスニング編 Section1 No.3
(B)Twenty-five dollars.
(C)At eleven thirty.
この文章は1語目のWhereを聞き取るだけで、場所について問われているのだと理解することができます。ですから、選択肢を選ぶ際も、場所を問われた文章に対する選択肢として適切な(A)を選べば良いとなるでしょう。
このように文章の一語目を聞き取るだけで大きなヒントを得ることができるのです。
Part2では冒頭の一語を絶対に聞き逃さないように集中しましょう。
分からない問題はすぐ捨てる
分からない問題があった時は潔く捨てて次の問題に備えましょう。なぜなら、Part2は問題と選択肢の全てが読まれるため、聞いても分からない場合は悩んでも正解になる可能性が低いからです。
また、悩んで時間をかけたために、次の問題の放送文を聞き逃したら次の問題も正解できないという悪循循環に陥るからです。
ですから、聞き逃してしまったり分からない問題はすぐに捨てて、次の問題で得点できるように切り替える習慣をつけましょう。
同じ単語を含む選択肢は疑う
選択肢が何か悩んだ時に、問題文で登場した単語が含まれる選択肢は疑うようにしましょう。なぜなら、そのパターンで正解になる場合はTOEIC Part2において極めて少ないからです。
基本的にひっかけ問題としてそのような選択肢を混ぜていると思われます。
例えば下記の問題です。
Where's the new fax machine?
(A) Next to the water fountain.
TOEIC公式 サンプル問題
(B) I'll send the fax tomorrow.
(C) By Wednesday.
問題文でfaxという単語が登場しますが、faxが含まれる選択肢は正解になっていませんね。正解は(A)の「水飲み場の隣」です。
このように、問題文と同じ単語を含む選択肢は疑うと選択肢が絞れるでしょう。
消去法を使う
Part2では消去法で解くのが重要になります。なぜなら、Part2の問題の一部は確実な正解を含んでいないからです。そのような問題の場合、確実に間違えている選択肢が複数含まれます。ですから消去法で解けるというパターンになるのです。
例えば下記のような問題です。
Let's look at the proposal from Jackson Construction.
公式TOEIC Listening&Reading トレーニング リスニング編 Section8 No.3
(A) Can we work on it tomorrow?
(B) No, I didn't see it.
(C) They're at Fourth and Main Street.
「A」を聞いた時に「Aかな?」と思うかもしれませんが、100%「A」だと言い切れる選択肢ではないですよね。そのため、「B」「C」も聞く必要があるでしょう。全ての選択肢を聞いた上で、「B」「C」は確実におかしいから「A」と確実に答えることができるでしょう。
正解は(A)の 「Can we work on it tomorrow?」 です。
この問題は消去法を使わないと確実に正解できません。こういった問題がPart2では含まれるのです。
ですから、Part2は基本的には消去法で解くと思って取り組んだほうが良いでしょう。
TOEIC Part2の勉強法
ではTOEIC Part2で点数を上げるためにはどういった勉強を行えば良いでしょうか?
具体的には下記の勉強を行うことが重要です。
- 音読をして反射力アップ
- 単語と文法を覚える
順番に解説します。
音読をして反射力アップ
音読をして英文に対する反射力をアップさせましょう。繰り返しになりますが、英語を聞き取るためには、知っている単語の意味を聞いたら0.1秒以内に意味を答えられる必要がありましたね。
そして「英語の単語を覚える」ということには大きく分けると2つの段階がありました。英語を聞き取るには、「英単語の意味が反射的に分かる」段階になる必要があるでしょう。
よく、「リスニングで流れている単語は分かるけど意味が入ってこない」といった悩みがあります。これは、英単語自体を知っているが、その意味が0.1秒以内に反射的に分からないため意味が取れないのです。
そしてこの「反射力」を上げるために最も効果的な勉強が、意味を考えながら繰り返し音読をすることなのです。正しい方法で音読をしないと効果がないので、ぜひ正しく音読トレーニングに励みましょう。
速読力をつけるための正しい音読の仕方については 【英語音読のやり方】たった4つ意識して勉強するだけで点数が上がる で詳しく解説しています。
音読をして反射力を習得し、リスニング力をアップさせましょう。
単語と文法を覚える
単語力と文法力をアップさせましょう。なぜなら、単語力と文法力は英語の文章を理解するために最低限必要な基礎力だからです。
英語の文章は、「単語」が「文法」という決まりに従って並ぶことで意味を表現しています。ですから、単語力と文法力はどちらかが不足していると英文を理解することができないでしょう。
なお、単語力を身につける方法は、【英語|英単語の覚え方】暗記に大切なのは実は「単語を忘れる」こと で詳しく解説しています。また、文法力を身につける方法は、【英語の文法勉強法】効率的に文法をマスターする覚え方のコツは5つ で詳しく解説しています。
Part2で対応できるリスニング力を身につけるためにも単語力と文法力をアップさせましょう。
まとめ
ここまで、Part2で聞き取れない理由と解決法について解説しました。
この記事をまとめると、Part2で聞き取れない原因は
- 英文に対する反射力がない
- 単語力と文法力が弱い
- 正しい発音が分かっていない
- 音の変化に慣れてない
- 否定疑問文と付加疑問文に慣れていない
といったことがありました。
また、Part2で点数を上げるためのコツとして
- 目をつぶる
- 文頭の聞き取りに集中する
- わからない問題はすぐ捨てる
- 同じ単語を含む選択肢は疑う
- 消去法を使う
などがありました。
Part2は放送される文章は短いですが、難しいパートです。Part2を克服し、リスニングセクションを攻略しましょう。